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松枝 誠
知能と情報, 35(4), P. 88, 2023/11
放射性廃棄物とは、原子力産業、医療、研究開発などを通じて発生する放射性物質を含む廃棄物であり、放射性廃棄物の処理・処分は人類が抱える重要な課題の一つである。本解説では、放射性廃棄物の分類や処分の課題と現在の取り組みなどを述べた。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*
Journal of Radiological Protection, 42(4), p.041503_1 - 041503_12, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Environmental Sciences)屋内退避は原子力災害時の放射線被ばくに対する対策の一つである。吸入被ばくに対する屋内退避の効果は、屋内と屋外の累積放射能濃度または線量の比として定義される低減係数で表される。屋内濃度は、主に空気交換率,浸透率,屋内での沈着率に依存する。空気交換率は、風速,家屋の床面積で規格化した隙間面積,総建ぺい率などの周辺環境条件に依存する。本研究では、様々な環境条件下で粒子とIに対する低減係数の不確かさの範囲を検討し、低減係数の不確かさに最も影響を与えるパラメータを把握するために感度解析を行った。不確実性解析の結果から、算出された低減係数は環境条件や住宅の気密性によって大きく変動した。粒子とIの低減係数の不確かさの範囲はそれぞれ最大0.9および0.3であり、新しい家屋ほど小さかった。感度解析の結果、風速は低減係数に最も影響を与えるパラメータであった。また、風速は新しい家屋では低減係数に与える影響が小さかった。
池之上 翼; 嶋寺 光*; 近藤 明*
Journal of Environmental Radioactivity, 225, p.106452_1 - 106452_12, 2020/12
被引用回数:3 パーセンタイル:14.71(Environmental Sciences)土壌侵食モデルUniversal Soil Loss Equation (USLE)におけるパラメータの不確実性が、放射性セシウム輸送モデルによる阿武隈川流域におけるCsの動態予測結果に及ぼす影響を評価した。USLEは、降雨量(R)や地質特性(K), 地形的特徴(LS), 土地被覆や土壌侵食防止策(CとP)の5つの物理的に意味のある係数を持つ。土壌, Cs総流出量に対し、USLEの係数の中で最も高い感度を持っていたのはCとPであった。そのため、土地被覆や土壌侵食防止策が土壌,Csの流出に大きな影響を与えることが分かった。土地利用に着目すると、森林,耕作地,未攪乱の水田からのCs流出率が大きかった。この研究は、土地利用、特に森林,耕作地,未攪乱の水田がCsの環境動態に大きな影響を与えることを示した。
舘 幸男; 陶山 忠宏*; 澁谷 早苗*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(2), p.109 - 133, 2017/12
性能評価解析において、収着分配係数Kは、地球化学条件の変動範囲や不確実性を含む具体的な性能評価条件を考慮して設定する必要がある。性能評価のための岩石へのK設定手法を、(i)収着データベースから抽出されるデータ群の直接的利用、(ii)データ取得条件と性能評価条件の差異を補正する半定量的条件変換手法、(iii)熱力学的収着モデルの3つを組み合わせることにより構築した。この設定手法の適用性を評価するため、これら3つの手法を適用して、花崗岩に対するCs及びAmのK値と不確実性の導出と比較を行った。その結果、データやモデルについて十分な情報が利用可能な場合、異なる手法間で整合的な設定値を導出可能であることを確認した。この手法間の比較を踏まえ、性能評価対象の25元素を対象に、実測データ群に基づく分配係数と不確実性の設定を試み、最近の海外の性能評価プロジェクトにおけるKデータセットと比較した。本手法によって、実際のサイト条件への適用を含む段階に応じた分配係数及び不確実性を設定することが可能となる。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正
JNC TN8400 2001-014, 212 Pages, 2001/03
地層処分安全評価の生物圏モデルに適用されるレファレンスバイオスフィアの考え方は、生物圏を、地層処分の安全性を判断するうえで線量などの適切な指標に変換するための道具としてとらえるものであり、予測が困難な将来の人間の環境や生活様式の想定に伴う不確実性に対して有効となる。一方、モデルで用いるパラメータには、分配係数の測定などデータ取得に伴う不確実性、統計値などに含まれるデータ加工に伴う不確実性、さらに蓄積された多くのデータで構成されるデータ範囲の中からデータを選択する際の判断に伴う不確実性などが存在し、結果としてモデル特性の不確実性として内在することになる。これらの不確実性については、感度解析を行うことによってモデル全体に与える影響を定量的に把握することが可能である。本検討では、一例として地形が平野にあり地下水が降水系の場合で河川に放射性核種が流入することを想定した生物圏モデルを取り上げ、各パラメータの取りうる範囲に基づく感度解析を行い、モデル全体に与える影響を定量的に求めることによって、各パラメータの重要度を把握することを試みた。
澤田 淳; 坂本 和彦*
JNC TN8400 2001-010, 25 Pages, 2001/03
第2次とりまとめにおける天然バリア中核種移行評価は、亀裂ネットワークモデルによる不均質な移行経路を考慮した核種移行解析評価に基づき実施している。亀裂ネットワークを用いた核種移行解析については、亀裂ネットワークモデルの計算容量の制限から亀裂の連結性を考慮したチャンネルネットワークモデルに変換して用いている。しかし、亀裂ネットワークモデルからチャンネルネットワークモデルへの変換には複数のオプションがあり、第2次とりまとめのため基本ケース解析ではそのうちの特定の設定を選択している。これらのオプションが解析結果に与える影響を検討した結果、いずれのオプションもチャンネルネットワークモデルのチャンネルの連結性やその透水特性に影響を与えるものの、核種移行解析結果に与える影響は小さいことがわかった。以上のことから、チャンネルネットワークモデルへの変換過程で複数のオプションから任意に設定した基本ケースの妥当性を示すことができた。
木名瀬 栄; 野口 宏
Radiation Protection Dosimetry, 93(4), p.341 - 345, 2001/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)本研究では、内部被ばくモニタリングにおける全身カウンタの測定精度向上を図るため、全身カウンタによる人体内セシウム137負荷量評価の不確実性に関連する因子を調べ、その因子による人体内セシウム137負荷量評価それぞれの誤差についてモンテカルロ計算や実測により評価を行った。その結果、不確実性の全誤差は最大で約95%になることがわかった。また、最も誤差の大きい因子は人体内放射能分布であり、経口摂取したセシウム137が胃周辺に分布した場合、最大約70%の過小評価になることがわかった。
武田 精悦; 長谷川 健; 杉原 弘造; 中司 昇; 中野 勝志; 松井 裕哉; 石丸 恒存
JNC TN7410 2000-003, 65 Pages, 2000/11
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戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 渥美 博行; 升元 一彦*; 安井 信吾*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ7440 2000-006, 137 Pages, 2000/02
東濃地科学センターにおける地層科学研究では,地質環境の調査技術・調査手法を開発することを目的として,広域地下水流動研究,超深地層研究所計画を進めている。これらの計画では,主に地表から地下深部に至る花崗岩中の地下水の動きを対象にしており,そのための大きな課題は,できるだけ少ない調査量で高精度に地質環境を把握するための合理的手法を確立することである。統計解析手法は,地下に埋蔵する資源量の評価など他の分野において用いられてきた数学的な方法である。本業務ではこの手法を試錐データの解析に適用し,その有効性を確認した上で,この手法を取り入れた定量的地質環境モデルの構築を提示するものである。平成11年度には,以下の項目を実施した。1.限られた数量の実測データから得られた地質環境特性の空間的不均一性の情報に付随する不確実性を,定量的に評価する統計解析手法の明確化 2.東濃及び他地域の例における上記手法の試用及び適用性の調査 3.国内外の調査・検討事例の調査及びこれらとの比較による上記手法の合理性の確認 4.上記の統計解析手法を反映した定量的な地質環境モデル構築の要領案の作成
柳澤 一郎*; 房枝 茂樹*
JNC TJ1400 2000-004, 245 Pages, 2000/02
本研究では、数値地層処分システム開発の第一フェーズシステムとして、2002年度末の運用開始を目指したシステムの開発の方向性を定め、かつシステム実現の見通しを得ることを目的として、統合解析プラットホームの基本設計、処分技術を対象とした解析コード、データベースに関する検討を実施し、開発計画をまとめた。主要な結論は下記の通りである。(1)統合解析プラットホームの基本設計を実施し、数値地層処分システムで必要となる接続計算や連成解析等を実現可能とするべく、柔軟性のある解析ネットワーク表現および解析ネットワークを構成するオブジェクトの仕様ならびに実行制御方式を定めた。(2)統合プラットホーム上での接続計算の柔軟性の確認と、基本設計へのフィードバックを目的とし、処分場における空洞安定性と熱的安定性に関する最適化問題を対象に、プロトタイプシステムを構築した。この結果、基本設計で示した設計方針により、柔軟性のある解析が可能であるとの見通しを得た。(3)想定されるユーザである、規制側、実施主体、研究開発機関での運用形態の議論も踏まえ、数値地層処分システムの開発計画を検討し、第一フェーズに対する開発計画並びに長期開発計画をまとめた。
柳澤 一郎*; 房枝 茂樹*
JNC TJ1400 2000-003, 94 Pages, 2000/02
本研究では、数値地層処分システム開発の第一フェーズシステムとして、2002年度末の運用開始を目指したシステムの開発の方向性を定め、かつシステム実現の見通しを得ることを目的として、統合解析プラットホームの基本設計、処分技術を対象とした解析コード、データベースに関する検討を実施し、開発計画をまとめた。主要な結論は下記の通りである。(1)統合解析プラットホームの基本設計を実施し、数値地層処分システムで必要となる接続計算や連成解析を実現可能するべく、柔軟性のある解析ネットワーク表現、オブジェクト構成、実行制御方式を定めた。(2)統合プラットホーム上での接続計算の柔軟性の確認と、基本設計へのフィードバックを目的とし、処分場における空洞安定性と熱的安定性に関する最適化問題を対象に、プロトタイプシステムを構築した。この結果、基本設計で示した設計方針により、柔軟性のある解析が可能であるとの見通しを得た。(3)想定されるユーザである、規制側、実施主体、研究開発機関での運用形態の議論も踏まえ、数値地層処分システムの開発計面を検討し、第一フェーズに対する開発計画並びに長期開発計画をまとめた。
斎藤 茂幸*; 池田 則生*; 杉山 和稔*; 岩崎 隆一*; 諸岡 幸一*; 景山 宗一郎*
JNC TJ1400 99-025, 483 Pages, 1999/02
本研究は,西暦2000年までに核燃料サイクル開発機構(以下JNCとする)より提出される「地層処分研究開発第2次取りまとめ」(以下,第2次取りまとめとする)に関わる成果の内容に対し,指摘すべき技術的内容について一定の研究成果を出し,両者を比較評価することにより専門家間の実質的な技術情報の共有化と理解の促進を図ることを目的とする。本研究では,平成10年9月に動力炉・核燃料開発事業団(現JNC)により提示された「第2次取りまとめ第1ドラフト」に対し,以下の検討を行った。・地質環境条件の調査研究の分野に関する記述内容及び記述方針等に関わる分析・専門家として指摘すべき技術的事項(課題)の提示及び研究実施内容(研究テーマ)の設定・各研究テーマごとの研究成果及び課題の提示 研究テーマは課題の重要性及び幅広く専門家の意見を反映できることに留意し,主として7項目を設定した。これらの研究を行った結果として,地質環境特性データ(特に岩石物性データ)の取り扱いに関する留意事項,花崗岩中の地下水水質形成機構に関する知見,地下水中の溶存有機物に関する知見,岩石の微細間隙構造の定量的な評価手法の開発可能性,処分地選定における考慮事項,将来予測における不確実性の取り扱い方に関する考え方等に関し知見の整理と課題の提示を行い,さらに課題解決のロジックのレビュー結果を示した。
小山田 潔*
JNC TJ1400 99-023, 63 Pages, 1999/02
本研究は、サイクル機構が実施している第二次取りまとめ(以下H-12レポートと称する)における亀裂ネットワークモデルによる地下水流動解析について、概念モデルやデータに起因する不確実性を評価することを主眼として、複数の異なる研究機関によって開発された同種の解析コードを用いて解析を実施し、得られた結果を相互に比較することにより、(1)仮想的なサイトを対象としたH-12レポートにおける地下水流動解析で見過ごされている可能性のある不確実性要因を抽出する(2)それぞれの不確実性要因が解析結果である地下水流動にどの程度の影響を及ぼし得るかを定量的に示す ことが主要な目的である。また、主要な差異の分析を通じて、上記の相互比較の結果がH-12レポートドラフトの性能評価の信頼性にどのようなインパクトを持ち得るか、そして、今後の研究開発においてどの様な事項が課題として認識される必要があるかについて検討を加えた。各研究機関の解析は2段階に分けて実施された。第1段階は、平成10年11月時点でのH12レポートドラフトと同じ条件及びデータを用いて、各研究機関が開発した水理解析コードを用いて解析を実施し、各コードの特徴や制約条件を明らかにした。第2段階は、JNCがH12レポートドラフトの作成について参考とした文献情報や、JNCがこれまでに実施した試験結果を提供し、これらの情報について、各研究機関が独自に解釈を行い、モデルやパラメータの代替案を作成し、解析を実施することによって、着目したオプションがどの程度解析結果に影響を及ぼすかを検討した。解析結果を総合すれば、各機関種々のモデルによって得られた結果は、比較的小さな差異しか示さなかった。第2段階で各機関が着目したオプションの種類によって、差異の程度は異なるものの、H-12レポートにおける水理解析結果は、他の手法によっても再現可能な代表性を有するものと考えられる。今後の課題としては、水理解析結果に核種移行解析を付加して、核種移行抑制性能を含めた多様な指標により比較検討を実施し、解析モデルの信頼性向上を図ることがあげられる。
辻村 憲雄; 篠原 邦彦; 百瀬 琢麿
PNC TN8510 98-001, 13 Pages, 1998/07
AmericanNationalStandardHPSN13.41-1997"CriteriaforPerformingMultipleDosimetry"を翻訳した。この規格は、複数個の線量計を用いて個人の被ばく線量を評価する必要がある場合の条件とその際の方法論を定めている。内容は、現在、国内で実施されている「不均等な被ばく形態における線量評価法」とほぼ同様であるが、複数個の線量計の着用が必要とされる条件、それらの身体配置並びに線量評価方法及び記録のありかた等が具体化されている。
大久保 博生*
PNC TJ1222 97-003, 322 Pages, 1997/03
本年度は、まず、火成活動シナリオについては、専門家判断や解析手法を用いたファーフィールド境界条件パラメータ変動幅の設定とそれの核種移行影響解析への反映を行った。また、地震・断層/隆起・侵食シナリオについては、外部インフルエンスダイヤグラムに基づく解析フレームの作成と境界条件変動幅設定の検討を行い、専門家の主観的判断の必要な項目等を明らかにした。さらに、気候変動/人間活動シナリオについては、各シナリオに関する情報調査を通じた特徴の把握と外部インフルエンスダイヤグラムの作成を行った。次に、シナリオ作成支援システムの高度化については、データベース情報及び階層情報の各表示機能の追加とそれらの情報の整合性のチェック、並びにXI法に基づくシナリオのリスク算出機能の追加を行った。
not registered
PNC TJ1281 96-005, 75 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価には、多様な不確実性が含まれる。この不確実性の種類を性能評価の手順に則して分類すれば以下の様なものを挙げることができる。(1)処分された廃棄物中の放射性物質が人間に影響を及ぼす過程あるいはこの影響程度を規定する環境条件の将来の変遷に関係するFEPs(Features,Events and Processes)と、これらの組み合わせの選定についての不確実性(シナリオ不確実性)(2)選定された個々のFEPs、及びFEPs間の相関についての具体的な現象理解とその数学的な定式化に関する不確実性(モデル不確実性)(3)定式化された数学モデルを用いて解析を行う際の入力データの選定に関する不確実性(パラメータ不確実性)上記のいずれ(FEPs及びこれらの組み合わせの選定、モデルの作成、及び入力データ値の選定)においても、選択の可能性は複数存在しており、しかも評価対象となる時間・空間スケールの大きさに起因する観察結果や経験の不足のために、いずれの選択肢を採ることが適切かを判断する際に主観的な要素の介入を完全に排除することは極めて困難である。このことは、これら複数の選択肢からの選択の問題が一意的には行われ得ないことを意味し、つまり、性能評価の結果に何がしかの不確実性の影響が含まれることは不可避であると考えなければならない。
not registered
PNC TJ1281 96-004, 246 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物地層処分システムに対する性能評価においては、その予測的な性質及び関連する時間及び空間的なスケールのために、種々の不確実性が介在することは不可避である。これまでに開発されてきた不確実性分析あるいは感度解析の手法は、しかしながら、多数存在する不確実性因子のうちパラメータの不確実性についてのみ適用可能なものであった。本研究の主たる目的は、パラメータ以外の不確実性や変動可能性、特にシナリオや概念モデルについても適用可能な新たな手法を開発することにある。平成5年度及び6年度には、以下の二つの主要な概念を組み合わせたものである「動的解析手法」を開発した。・不定表現となる広義拡散係数により全ての可能な核種移行挙動を表現することが可能な広義拡散方程式・外部事象が人工バリア内及びその周囲における核種移行に及ぼす影響のみを表現する「シャドウモデル」
not registered
PNC TJ1222 95-005, 552 Pages, 1995/03
我が国の高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価体系における重要な研究課題を抽出・検討するため、以下4つのサブテーマを設定した。(1)スイスNagraのKristallin-Iの検討(2)ガス発生と移行(3)地下水化学(4)不確実性次に、各テーマ毎に、エキスパート間の議論を通じ、今後の研究課題を摘出・検討した。特に、本年度は、より信頼性の高い溶解度算定のための簡単な解析作業を行った。
not registered
PNC TJ1281 95-003, 53 Pages, 1995/02
生物圏は、核種移行に対するバリアとしての期待は小さいものの、地層処分された放射性廃棄物に起因して実際に人類への影響が生じる場であり、この意味での重要性は大きい。他方、生物圏は地上及びその近傍から成り、自然あるいは人間活動による種々の擾乱を最も被りやすい領域でもあるため、その将来予測に含まれる不確実性は決して小さいとは言えない。この様な状況にあって、上述した概念的な不確実性を低減する有効な方法となり得るものは、複数の代表的な生物圏モデルを同時に考えることによって将来の可能な条件変動の幅を網羅し、各モデルと対応して(決定論的な単一の計算ではなく)線量あるいはリスクの計算を行って結果の幅を明確にするというアプローチである。本研究の目的は、代表的生物圏モデルの概念を確立するとともに、数学的モデル、データセット及びソフトウェアといった関連する方法論を開発することである。また、代表的生物圏モデルの概念が多分にstyliseされたものであることから、この研究において、関連分野の国際的な動向と整合的な展開を図ることも必須の事項である。本年度は、昨年度に引き続きBIOMOVESIIにおける議論特に代表的生成圏についての国際的合意の形成過程を調査し、その過程を逐次まとめるものとし、昨年度提案した我が国における代表的生物圏モデル、関連するデータ及び数学的定式化の見直しをおこなった。また、この結果に基づき、(i)プロトタイプの生物圏評価コードの作成、(ii)上記コードを用いた予備的被ばく評価、
山口 彰
PNC TN9410 94-070, 51 Pages, 1994/02
原子力プラントの地震に関する確率論的安全性評価(PSA)においては、機器やシステムの地震時の損傷確率とその不確定性を効率よく定量化することが大切であり、利用できる様々な情報を組み合わせて損傷度評価を行うこととしている。これらの情報を損傷度評価に反映させる方法として、本研究ではベイズ推論を提案した。ベイズ推論に利用できる追加情報は、(1)実際に発生した大地震時の機器の挙動データ、(2)機器損傷度評価の専門家の工学的判断、(3)振動台試験データである。アップデートされる事前損傷度は、過去の地震PSA研究で評価されたGenericな損傷度とした。一般に地震時の機器の挙動データや振動台試験データは機器の強度の中央値よりも小さい領域に限定されているが、損傷度曲線のテイルを改善するのに有効であり、モデル化の不確定性を大幅に低減することにより、年間損傷発生頻度の低減に寄与することが示された。ベイズ法による損傷度の改善に用いる情報の価値を定量化するためにエントロピーの考え方を導入した。ベイズ流アプローチとエントロピーを組み合わせて適用すれば、損傷度評価に有用な試験を計画するとができる。安全目標と関連させた合理的な安全設計を達成するには、地震PSAの結果を有効に活用することが大切である。しかし、地震PSAから得られる知見は評価の不確定性に影響されるため、炉心損傷発生頻度の観点から重要と判断される機器に関しては、機器固有の解析や試験による不確定性の低減が必要である。このような理由から、損傷度評価に関する情報の取得とベイズ推論の活用が望まれる。